而今・十四代が定価で買える店
日本酒雑記

年末に買わない日本酒リスト

年末は魅力的な新酒がぞくぞくと発売されます。
しかし飲み切れないほどの酒を買っても駄目なのです。
過去の自分を振り返り思いとどまります。
今日も危うく酒屋に向かいかけましたが踏みとどまりました。
私は決してアル中ではありません。
同じような「日本酒買いたい病」の方はいませんか?

迫りくる魅力的な日本酒たち

田酒 斗壜取りの誘惑

今年こそは田酒を飲むことをやめようと思いながらも止められませんでした。
年末の干支ラベルはラベルだけから買ってはいけないと強くいい聞かせています。
それは3年間守れています。もう興味すらありません。しかし来年から干支ラベルだけでなく、田酒全てを買わないようにするためにも最高峰の斗壜取りを飲んで
「これは駄目だもう止めよう」と決意を新たにする必要があると考えていました。
しかし、価格は10,100円です。
日本酒に10,100円は正気じゃないような気がします。
年間数十万も日本酒を買っておきながらいまさらですが
買いません。初めて「田酒 特別純米」を飲んだ時のあの美味しさが忘れられなかったのですが今の「田酒 特別純米」の味はもう別物です。
来年こそは田酒を飲まないことを決意しました。

飛露喜かすみ酒の誘惑

今年の年末は「村祐の黒」を飲むと決めています。
決めたからにはこれ以上の日本酒を購入してはならないのです。
しかし飛露喜のかすみ酒が販売されています。
昨年これを最後にしようと、真剣に注意深く飲んでこれはわざわざ買うまでの酒ではないと断定しました。

3年間毎年続けて一升を3本飲んでもう飲む必要は無いと確信したのですが気持ちは揺れ動きます。なぜ揺れ動くかというと、以前は而今等のプレミア酒を制限無しで販売していた店が飛露喜のかすみ酒は当たり前のように抱き合わせにしていたからです。

そして抱き合わせの意味も分からず普段日本酒なんか飲まないだろうという人が
単品でレジに持って行って「違うものも一緒に買って貰わないといけないんですよ」
と諭されて困惑していたのです。あれは独占禁止法に触れる可能性があることを当たり前のように要求してくることに困惑していた感じではありませんでした。
普段酒を買わないから抱き合わせについて意味がわからないとう様子で、
そんな人達を動員してまで購入する価値があるものなのかと思ったのを覚えています。

その光景は而今のにごり酒の販売の時と同じ風景です。
ちなみに而今のにごり酒は抱き合わせじゃありません。ということは
「あの而今のにごりより価値があるということなのか?」
「飛露喜のかすみ酒はそんな特別に美味しい酒なのか?」
と思っていましたが勘違いでした。買いません。

花陽浴 にごり酒の誘惑

さらに花陽浴のにごり酒が買えそうです。
これは販売量が少ないので貴重なように思えます。
しかし少ないから価値があると思うだけで
わざわざ購入するものではないと2年前に結論を出しています。
しかし買えるとなるとわくわくします。
「名前だけで買うんじゃない」「レアだからといって美味いわけじゃないだろう」
と決意を新たにします。
そしてこれもさほど抵抗無く購入しないという結論が出せました。

若波 純米大吟醸 山田錦の誘惑

今年の正月に飲んで衝撃的に美味しかった若波が今頃はもう売り切れ続出です。
後悔はしていません。しかしネット販売の在庫わずかの表示に心動かされます。
いつも通う店に確認すると取り置きしましょうか?
と言ってくれます。プレミア酒では無いので親切です。しかしお断りしました。
本当は再度味を確認したいところですが、「味を確認?」というところに引っかかります。
これだけ美味しい日本酒が溢れている中で味を確認なんて偉そうなことを感じるのは私はどうかしています。どうしても飲みたくて買うものだろうと思い購入を思い留まっています。

仙禽 雪だるまの誘惑

これも数年前に飲んでにごり酒というジャンルの酒だなと結論づけています。
コカコーラもペプシコーラも同じコーラというジャンルの飲み物です。
しかしこの雪だるまのラベルはかわいいです。
ラベルだけで余計に売れているんじゃないでしょうか?
しかしそれにしても雪だるまの売れ行きが凄いと販売店からのメルマガがたくさん届きます。一瞬「そうだったっけ?」と思いますが売れ行きと味の良し悪しは関係ありません。
しかしこれは目の前に有ったら買ったかもしれませんがわざわざ買いにいきません。

ちえびじん LOVEPINKの誘惑

ハート型のラベルにピンク色の日本酒です。
しかも苺のような香りがするにごり酒ときたら買いたくてしょうがありません。
しかも3年前に買おうと思った時に売り切れで買えなかった日本酒です。
これは買いたくてしょうがありません。
なんとか踏みとどまりたいところです。

亜麻猫から学んだこと「日本酒は必ずしも必要なものでは無い」

年末は日本酒を買いたくてそわそわします。これは病気ではないのか?と思いながらもさらに強い意思で思い留まります。今年の日本酒に費やした金額を出せば流石に考えが変わるのではないだろうか?と名案を思い付きます。

しかし面倒なので却下します。
「新政 亜麻猫中取」を飲みながら却下です。
「こんなに酸味を主張してくるとは!」
「酢になりたいのか?」
などと思いながらもこの酸っぱい亜麻猫を飲まなければなりません。
「本当に日本酒が必要なのか?」と考えさせられる酒です。

酸味を主張する亜麻猫との折り合いの付け方

なぜ飲まなければならないのかというと、以前新政頒布会で飲んだ亜麻猫はハチミツのような味わいで感動しました。
その亜麻猫と今飲んでいる亜麻猫が別物だということは分かってはいるのですが、あの味をもう一度と購入してみたのですが、こんなに違うものということが信じられないのです。
あの頒布会の亜麻猫は確かにハチミツでした。
「じゃあ今飲んでいる亜麻猫にハチミツ混ぜろよ」
というのは違います。
「じゃあハチミツだけ飲んでろよ」
というのも違います。
私の頭の中には、亜麻猫=ハチミツという図が出来上がっています。
それを消し去るためにも全て飲み干す必要があるのです。
「次は花陽浴で口直しだ!」
なんて思いながらやはり新政はコスモスだけにしようと決意を新たにしています。

一年放置していたコスモスは許してくれるのか

やまユは別です。あれは別格の味なので再度飲みたいですね。
「やまユはコスモスを熟成したんですよ」
なんて店で聞いて、「昨年買ったコスモスまだ飲んでないけどやまユになるからいいか」
と安易に考えた結果冷蔵庫に眠っています。2016BYです。
熟成を狙ったわけではありません。ただ飲む機会が無かったのです。
そしてやまユの話しを聞いて自分に都合よく解釈して放置していました。
亜麻猫を飲んでいると不安になりますが、楽しみでもあります。
酸っぱくなっているのか、それとも災い転じて福と成しているでしょうか?
それにしても今飲んでいる亜麻猫は先月買ったものなので劣化ではないのですが
こんなに酸っぱくていいのでしょうか?

酸味が好まれるコーヒーの話し

話しは変わりますが九州の方はコーヒーに酸味を求めるそうです。
ある熊本のコーヒー屋さんに行った時に
焙煎度でいう「シナモン」(コーヒー豆は浅く煎ると酸味が増し、深く煎ると苦味が増します。)の品ぞろえが多かったので不思議に思い店主に話を聞いたところ
「コーヒーに酸味がなきゃ単調だろ。酸味があって甘みが引き立ってコーヒーは立体的な味になるんだよ。バカヤロー」
とキレ気味で話されました。正確には「バカヤロー」というのは口に出さずに目で語っていました。コーヒーは酸味ありきだそうです。
「熊本はそうなんですか?」と聞いたところ
「九州は全部そうなんだよコノヤロー。どこから来たんだ?関西?
苦味だけの単純な薄っぺらい味でコーヒーがわかるのか?」
という趣旨のことをもう少し柔らかい口調で話していました。
九州と関西の対立をあおっているわけではありません。
恐らく酸味のあるコーヒーの良さを関西の人に理解されなかった過去があったのかなと推察しています。

以前私は関西にも住んでいたことがあるのですが、関西で販売されているコーヒー豆は苦味重視でした。とある関西のコーヒー屋さんに話を聞くと酸味は関西では好まれなくて、はっきりした苦味が好まれるそうです。

日本酒にも地域によってそのような傾向があるのでしょうか?
私の田舎では世間の甘旨礼賛の流れとは違って辛口の日本酒が好まれています。
「水のような酒が良い酒なんだよ」と得意気に語られたことがあります。
私も田舎にいたころはそう思っていました。
全国区の銘柄もあるのですが地元では全く知名度がありません。

新政はコスモスだけでいい

話しを戻します。
コスモスは毎年美味しいので毎年買います。
コスモスがこんなに美味しいのだから他の新政も美味しいだろうと思うのは私の油断です。
ついつい「№6」「亜麻猫」等買ってしまいます。
そしてコスモスだけにしておこうとその時は思うのです。
来年は新政はコスモスだけにする。やまユが出るならやまユまでと決意します。

日本酒熱を冷ます必要がある

しかしそんなことを考えながら年末に「見えざるピンクのユニコーン」と
「異端教祖株式会社」を買うチャンスが生まれるとどきどきしてしまいます。
当然抽選です。そして当然外れました。恐らく料飲店が購入したことでしょう。
貴重な酒なので多くの人が飲めたほうがいいのです。
本当にそう思っているのですが欲しくなってしまいます。
来年は少し日本酒から距離をおいて自分を見つめなおす必要がありそうです。