6月28日・29日に大阪で開催された「G20 大阪サミット」が開催されました。一連の行事の中で開かれた政府主催の夕食会では、大阪や関西産の食材を使った料理や飲み物が提供されました。乾杯は日本開催ということで日本酒で行われ、大阪府能勢町 秋鹿酒造の「秋鹿一貫造り」が選ばれました。
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秋鹿酒造とは?
さほど一般的な知名度は無いかもしれませんが、とても素材にこだわっている酒蔵として日本酒好きの間では有名です。「米作りから酒造りまで一貫造り」を掲げ米を自前で栽培しているのですが、その米を作る土作りからこだわっている酒蔵です。
関西地方では取扱店が多いですが、他の地域ではそうでも無いようです。「自分たちが育てた酒米を使って、自分たちの目の届く範囲で販売する」という姿勢で酒造りをされています。
蔵は大阪府豊能郡能勢町という大阪の中でもかなり山奥で自然豊かな町にあります。ある引退した有名司会者の方が豪邸を構えていることでも知られています。
秋鹿は全無農薬栽培
蔵元が自ら田んぼで米を無農薬で栽培しています。
元々農家だったそうで、自家田で酒米の「山田錦・雄町」を栽培しています。
土つくりからこだわっています。しかし米を栽培する酒蔵というのはよくありますが土をつくるとはどういうことでしょうか?
過去の米作り
- 土に与える肥料が多い。
- 収穫量を求めて、密集して植えていた。
効果
- 肥料が多いと育ちすぎて高さが150cmにもなり根の張りが悪く強風で倒れる。(通常130cm程度)
- 密集して植えた結果風通しが悪く害虫が増える。
- 思うように収穫できない
現在
- 肥料を少なくする。
- 水分が多くなりすぎないようにする。
- 一般的な田んぼと比較すると苗と苗の間を広くとる。(2倍近く)
効果
- 肥料を少なくして水分を減らした結果、水分や栄養分を求めて根が地中深く張り出す。
- 地中深く根が張るため倒れない強い稲ができる。
- 稲の間を広くして風通しを良くした結果、太陽光を行き渡らせることで害虫の発生を抑えられた。
- その結果、害虫駆除のための農薬散布は無し。
- 除草剤の使用は田植え後に一回のみ。
収穫量よりも稲のことを考え、できるだけ自然に任せて稲の育ちやすい環境を整えた結果米作りが好転したようです。
自然型循環無農薬栽培米で造る日本酒
「自然型循環無農薬栽培米」まるで呪文のようです。農薬化学肥料を一切使用せずに、酒米を精米するときに出る赤糠(あかぬか)を田植えの後に蒔いて苗の活性化を促します。糠の発酵で土壌の柔軟性と酵素を取り入れることが苗の活性化を促すことに繋がるということです。このようにして作られた米を使用して出来上がった酒はへのへのもへじマークが付いていて、なかなかお店で見かけることの無い貴重な酒になります。


見にくいかもしれませんんが、裏のラベルに記載があります。
- 化学肥料・農薬無使用
- 米糠を中心とした発酵堆肥による循環農法
こちらの「へのへのもへじ」の方が、より安全安心自然で育まれた米で造られた日本酒ということが言えるのでしょう。
秋鹿の味はどんな味?
獺祭や十四代のようにフルーティーで香りが高いお酒ではありません。濃厚で米の旨味を感じる日本酒です。田酒が好きな方の方が合うかもしれません。しかしこちらの酒蔵は他にない特徴のある酒造りを行なっています。無農薬栽培で、自然の力で作られた米でできあがる日本酒がどんな味なのか。一度試してみませんか?
こんな可愛いイラストのラベルもあります。

生酒は私の好みではありませんでした。

秋鹿 純米大吟醸 一貫造り 定価
税別表記
秋鹿 純米大吟醸 一貫造り 山田錦 40% | 720ml | 4,000円 |
秋鹿 純米大吟醸 一貫造り 山田錦 40% | 1800ml | 10,000円 |
大阪G20サミットで飲まれた秋鹿一貫造り
残念ながら「秋鹿一貫造り」がネットで買える店は6月29日現在わずかしかありません。
自然型循環無農薬栽培米で造られた「へのへのもへじ」は若干在庫があるようです。