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2019年 新政頒布会 4月

新政頒布会初回の4月分が到着しました。それぞれの銘柄の詳細な解説書が添付されています。ご存知の方が多いと思われますが、念の為先に用語の解説を記載致します。

日本酒度とは

酒の甘辛を判断する指標です。
水に対する比重で判断します。

マイナス 水より重い 糖分が多い 甘口
プラス 水より軽い 糖分が少ない 辛口

酸度とは

日本酒に含まれる酸の量です。

  • 酸度が高いと辛口
  • 酸度が低いと甘口

アミノ酸度とは

日本酒に含まれるアミノ酸の量です。
旨味やコクの指標になります。

アミノ酸度が高い 甘口 コクが深く濃厚
アミノ酸度が低い 辛口 淡麗辛口

水墨 アッシュ-亀の尾-

 

原料米 亀の尾
精米歩合 65%
アルコール度数 14.6%
日本酒度 -3
酸度 1.7
アミノ酸度 0.8
飲用適温 常温〜ぬる燗(20℃〜40℃)
推奨飲用時期 2019年9月以降

残念ながら写真で表現できていないのですが、水墨-アッシュ-のラベルの文字が非常に美しいです。マルチカラー?レインボーカラー?角度によって見え方が変わります。こだわりが感じられますね。

添付解説書より

  • 亀の尾は6号酵母誕生当時、蔵の主力の酒米でした。
  • 精米歩合は当時一般的だった65%を採用しています。
  • 6号酵母誕生当時の新政酒造のスタンダードな味わいの再現を試みました。
  • 蔵の中興の祖である「五代目佐藤卯兵衛」の時代の酒の味わいを、この酒を手掛かりに想像を膨らませながら飲んで頂ければ幸いです。

生成 エクリュ-あきた酒こまち-

原料米 酒こまち
精米歩合 65%
アルコール度数 14.7%
日本酒度 ±0
酸度 1.7
アミノ酸度 1.2
飲用適温 常温〜ぬる燗(20℃〜40℃)
推奨飲用期間 2019年4月以降

 

添付解説書より

  • 日本の酒造で数千年前に用いられていた「生米麹」を使用しています。
  • 生米麹は中国の黄酒に使われる麹として有名です。
  • 現在日本酒に使われる麹は黄麹になります。
  • 日本酒の長期保存に向いているのではないかと考え、時々試している製法です。
麹の種類 用いられる酒 どのように造られる麹なのか カビの種類
生米麹 中国の黄酒 穀物の粉を固めたものにカビを生やす。 クモノスカビ
黄麹 日本酒 蒸した米にカビを生やす。 黄麹菌

新政酒造で今回用いられた生米麹とは

  • 本来は生米麹は穀物の粉を固めてカビを生やしますが、今回新政酒造で用いる生米麹は米粉を固めたものでは有りません。水に漬けた米粒に菌を生やしています。
  • 生米麹では加熱した掛米(蒸米)が溶けないため、黄麹も併用して造っています。

中国と日本の酒造の違い

酒に同梱されている解説書があまりにも難解でした。そこで自分なりに勉強しようと一次資料を検索したのですが、酒造りに結びつきそうな情報が出てきません。検索ワードを変えながら調べていると「生米麹造り – 蔵元駄文 Ⅱ」というHPが見つかりまして「おお!!ズバリこれじゃないか!!」と思って開いてみると、なんと新政酒造公式ホームページの佐藤社長の解説でした。思わず笑ってしまいました。現代では第一人者というか、誰も手をつけていない製法ということなんでしょうか。今回添付の解説書には「当蔵の中でも最高峰の変態酒」という記載があります。

アジア地域での「カビが糖化する酵素」を用いた酒造りでは、現在も生の穀物を用いた麹を使う酒造が主流だそうで、日本のように米麹を用いる酒造が主流なのは珍しいそうです。紀元5世紀頃には中国では米麹はメジャーな材料にはならず、生の穀物を用いた麹を使っての酒造がメジャーになったそうです。日本でも米麹を使った酒造は行われていましたが、8世紀頃には、すでに中国で廃れてしまった米麹を用いた酒造が、日本ではメジャーになっていたそうです。

日本の酒造に大陸からの米麹を用いた最新の酒造技術が定着しなかった理由として、日本には米の糖化に相性のいい黄麹菌が多く生息していて、生の穀物の糖化に必要なクモノスカビが少なかったことが挙げられています。

また日本は稲作文化で中国は麦作文化です。それぞれ食べるまでの加工の過程が異なります。稲は粉にして成形する必要があるため、そこにカビを定着させればいいのですが、米は蒸すだけで食せます。わざわざ粉砕して成形する必要はありません。そのため定着しなかったのではないかと推測されます。しかし佐藤社長は、米麹を用いた酒は美味しかったであろうことが過去の文献(古事記)から推測されることや、戦前まで神事の儀式に使われていたことなどから、この製法を復活させることに関心を抱いておられるようです。

参照資料

新政酒造 蔵元駄文より 生米麹造り1
新政酒造 蔵元駄文より 生米麹作り2

2019年新政頒布会 4月 ノベルティグッズ

今回はステッカーです。

頒布会の資料には推奨飲用時期が記載されています。生成-エクリュ-はすぐに飲めますが、水墨-アッシュ-は飲み頃が9月です。100セット仕入れた飲食店はどうするのでしょうか?

また、店飲みの場合はエクリュもアッシュも推奨されている常温ぬる燗で提供されるのでしょうか?常温以上で飲むことが推奨されている酒は、一般的には冷やで飲むと良さがあまり感じられません。推奨温度で飲むと米の甘み、味わいや香りが引き立ち、冷やで飲むのとは全く別物のような味わいになります。何となく気になる所ですね。

しかし違う角度から見ると、冷やと燗を飲み比べる企画ができそうです。私はまだまだ先ですが飲み頃の9月まで待って推奨温度で飲んでみようと思います。

頒布会5月はこちら

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