而今・十四代が定価で買える店
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2002年製造の日本酒 あの頃は何してたかなと思い出させてくれる酒 貴醸酒 成龍

毎年10月1日の日本酒の日に発売される「賀儀屋 日本酒の日限定熟成酒」 でお馴染みの成龍酒造から貴醸酒の熟成酒(2001BY!!)が発売されていました。狙って買いにいった訳ではなく、たまたま見つけて買いました。この酒を買った酒屋は、店員さんはいつも忙しそうにしていますが、愛想がよく、質問をすると的を得た返事が返ってくる非常に良心的な店です。

その日は特にその酒屋に用事はありませんでした。
買いたいものがあって出向いたわけでも無いので、当然欲しい酒もありません。何をしに来たんだという気がしないでも無いのですが、せっかく来たのだから何かないかと店の隅から隅まで何往復も見て回ります。

この店には、売れ残った酒が銘柄問わず入った四合用と一升用の冷蔵庫がそれぞれ1台ずつあります。冷蔵庫の奥まで見ようとすると、手前の酒を全部通路に出さなければならなくて手間ですし、人が多い時だと邪魔になります。それだけにこれらの冷蔵庫からは思わぬ掘り出し物が見つかることがあります。この日も奥まで探ってみましたが何も欲しいものがありませんでした。

日本酒の品揃えは恐らく日本一ではないかと思うほど様々な銘柄の取り扱いがあります。販売されている酒は一升瓶が主体です。目当ての酒があればいいのですが、この店ほど豊富に酒があると「せっかくきたのだから」とちょっとした出来心が生じます。しかし出来心で買ってしまうと、重い酒をさげて帰って「飲んでみるとそうでもない」という地獄を味わうことになります。

この日は特に用事があってきたわけでもないのでしょうがないのですが、「せっかく来たのだから何かないか」と店の奥の奥にある冷蔵庫を見て後ろを振り返った棚でこちらの酒を見つけて思わず買ってしまいました。

2002年醸造 貴醸酒 成龍

容量 500ml
酒米 松山三井
精米歩合 70%
アルコール度数 15~16%
価格 税別  1,600円

この酒を店で手に取った時、2002年に自分は何をしてただろう?なんて思い出したりしました。この酒を買わなければそんな気持ちにはならなかったでしょう。現在は2020年です。今から数えると18年前ですね。

その頃私は色々上手くいってない時期でして、今までその頃の事を思い出すことはなかったのですが、「あの頃に造られた酒か」と思うと感慨深く、久しぶりにその頃の事を思い出させてくれました。それだけで買った価値があったような気がします。

18年前の熟成貴醸酒の味は?

少し楽しい気持ちになりながら飲んでみると、思ってもみなかった味がしたので驚きました。まるで梅酒です。あれ?梅酒だったっけ?と思ってラベルを見ますが日本酒です。おかしい。こんなことがあるのか?と思って改めてラベルをみて成龍酒造のHPも検索してみましたが、日本酒です。

今まで飲んだ熟成酒でダントツで美味しかったのは、昨年の「若波 令和記念酒」です。バニラの香りがして非常に美味しかったです。しかしこれは同じ熟成酒なのに酸味がキツく梅の味らしきものを感じます。「熟成酒も色々だな」と思うのですが、これはどう向き合えばいいんだ?と考えます。なにせ18年ものの熟成酒で私の思い出が詰まっているような気がしてきています。ここはなんとかしたいものです。燗をするべきなのか、炭酸で割るべきなのか。どうしようか考えていると酒に解説が付属していました。


その解説によると、相性のいい料理としてお馴染みの「バナナのソテーアイス添え」と「洋梨のタルト」が紹介されています。やっぱりこういう時は「バナナのソテーアイス添え」と「洋梨のタルト」だよな!!そりゃそうだ。

なんて思うわけがありません。「バナナのソテーアイス添えって何?」です。バナナのソテーアイス添えはこういったもののようです。


注意したいのはバナナのアイス添えでは無くて、バナナのソテーアイス添えというところです。ソテーとは何かというとフランス語で「油で炒めて焼いた」調理法ということです。バナナとアイスを買ってきて、今までやったことの無い「ソテー」にチャレンジしなければなりません。チャレンジしなければなりませんが出来ません。

ラグビー日本代表でトンガ出身の中島イシレイリ選手は、年末に放送されていた「笑ってはいけない」でトンガでは「バナナを焼いて食べがち」と言っていましたが、私はバナナを焼いたことがありません。バナナを炒めようという発想がありません。

しょうがないのでこういう時は「洋梨のタルト」しかありません。洋梨のタルトと言えばやはり千疋屋(せんびきや)です。ネットでも売っているので毎週食べられますね。

毎週でも食べられるのですが、そもそも洋梨自体何年も食べていません。洋梨を売っているスーパーに行くこともありません。どうしたものか悩ましいですね。

燗をするとまるでウィスキー

こんな時は燗をするしかないなと、燗してみました。私は一時期ウィスキーにはまっていた時期がありまして、正露丸のような味がするウィスキーからチョコレートの味がするウィスキーまで色々飲んだことがあるのですが、燗をするとウィスキーに近い感じがします。

流石に樽の香りはしませんが、これは美味いですね。燗すると絶妙な酸味が効いて美味いです。私は冷やより断然燗です。燗すればバナナをソテーしたり、千疋屋で洋梨のタルトを買う必要もありません。

1分でできる手間の掛からない燗の仕方

  1. ちろりに酒を注ぎます。
  2. ヤカンでお湯を沸騰させます。
  3. ちろりをヤカンに入れます。
  4. 温度計を入れて温度を測ります。
  5. 1分もしないうちに出来上がりです。

酒器にこだわれば面倒ですが、ちろり一つあれば燗も簡単です。温度計はAmazonで買ってもいいのですが、百均にいけば売っています。拘りたい方はこちらがスタンダードです。

18年物の熟成酒を飲んだ感想

  • 熟成酒にも色々な味がある。
  • 日本酒でも梅酒のような味がすることもある。
  • 熟成が進むと琥珀色の美しい色合いになる。
  • 冷やよりも燗がいい!!
  • 燗するとウィスキーのような味がする。
  • また成龍の年違いの熟成酒を飲んでみたい

「笑ってはいけない」を観た時は「バナナを焼いて食べるの?」と驚きましたが、トンガ以外でもバナナを焼いて食べるのは有りなんだと知りました。しかも日本酒に合うようです。いつかチャレンジしてみたいと思います。